獅子の日

4月4日は「獅子の日」だそうです。いつ誰が定めたのか存じ上げませんが、4(し)4(し)という語呂合わせですね。
獅子と言えば獅子舞、それから獅子頭。
上小原獅子組の獅子頭は顔が毛に覆われた毛獅子で、猫獅子とも呼ばれます。
獅子とは?
一般的に獅子とはライオンのことです。
しかし獅子舞の獅子はライオンではありません。あくまでもライオンなどを元に生み出された架空の生物。獅子頭の眉や目、口元などはデフォルメされています。
ライオンはアフリカにだけ生息している動物と思っていたのですが、インドにもいるようです。これが仏教の伝来とともに形を少しずつ変えながら伝わってきたのかもしれません。
獅子舞はよくLion Dance(ライオンダンス)と英訳されるのですが、これって獅子舞文化を知らない人は勘違いしちゃうと思うんですよね。私ならサーカスのライオンをイメージしてしまいます。
私たちにとって獅子舞はサーカスのように人を楽しませるという側面もありますが、もとは神事です。そして獅子は神の使いであり、獅子舞はダンスというよりRitual(儀式)に近いのかもしれません。
獅子とシシ
日本では「シシ」はライオンではなく、イノシシを指すこともあります。これには理由があります。
むかし日本人がまだ狩猟をしていた頃、シシというのは四つ足の獣(肉)の総称でした。猪は「い」のシシ、鹿は「か」のシシというように、獣はすべてシシでした。しかしその後、大陸から「獅子(師子)」という漢字と意味が入ってきたことで、現在のように複数の意味を持つようになったようです。
香川県の獅子舞の多くは大陸から伝わったと考えられていますが、日本には猪や鹿(シシ)の被り物を使った伝統舞踊もたくさんあります。そのような「シシ舞」は日本古来の形を継承していると思われます。
今の日本には多種多様な獅子舞がありますが、それは起源の異なる獅子舞が影響しあった結果なのかもしれません。
四肢舞
そう言えば、四つ足のことを漢字では「四肢」と書きますね。香川県の獅子の多くは四つ足。いわば四肢舞です。
しかし獅子の足は必ずしも4本とは限りません。1人立ちという2本足の獅子もあれば、むかで獅子という10本以上の足がある獅子もあります。
獅子は架空の生き物なので、どのようにも姿を変える柔軟性を持っています。
神社の獅子
皆さんの周りに獅子はいますか?
実は神社にも獅子がいます。下の写真は山階の春日神社の狛犬ですが、片方は狛犬ではなく獅子なんです。
さてどちらが獅子でしょうか?


正解は、口を開けている方が獅子。
鞠を転がしている姿は戯れているライオン(ネコ科の動物)っぽく見えなくもないですね。
一方、口を閉じている方が狛犬です。犬は子孫繁栄を象徴する動物でもあります。子犬を傍に抱えているのはそのためかもしれません。
現代では獅子も含めて狛犬と呼ばれるようになったため影が薄くなりましたが、意外と身近に獅子はいるんですね。
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