稽古用獅子頭の工作
今年も秋祭りの季節がやってきました。上小原獅子組でも今週から秋祭りに向けてヨナラシ(獅子の稽古)をはじめています。今回は稽古用の獅子頭を作ってみました。
稽古用獅子頭
獅子の稽古は道具を使っておこないますが、道具の数には限りがあります。中でも獅子頭は足りなくなりがちです。そんな時にあると便利なのが稽古用の獅子頭です。
獅子舞道具は地域の共有物のため家に持ち帰ることはできません。しかし、このように道具を自作すれば家で稽古することもできます。
作成時間10分
ご覧の通り、見た目は全く気にしていません。あくまでも稽古用の道具です。また、できるだけコスト(時間・費用)を掛けずに作っています。
耐久性を考えると木材などで作った方が良い気もしますが、今回は誰でも簡単に作れるものにしました。
安全面の配慮
獅子の稽古中は視野が狭くなるため周囲への配慮が必要です。壁にぶつかる程度なら良いのですが、小さな子どもが近くにいる時は万が一のことも考えなければいけません。
稽古用としては物足りない部分もありますが、安全性も考えて軽くて柔らかい素材を使うことにしました。
作り方
作り方はとても簡単で箱に筒を固定するだけです。様々な作り方があると思いますが、参考までに今回の作り方をご紹介します。
用意するもの
- 空き箱
- サランラップの芯
- 定規
- ガムテープ
- カッター
- ペン
「空き箱」は獅子頭ぐらいの大きさの箱。写真では紳士靴の箱を使っています。
「サランラップの芯」も強度のある筒なら何でも良いです。新聞紙などを丸めて棒状にしても良いと思います。
手順
- 箱に下書き
- 箱の側面の中心にペンで印をつけます。上下で位置がずれないように定規を使うと良いと思います。
- 箱に切り込み
- 印の位置にカッターで切り込みを入れます。8分割するように切り込みを入れるのがポイントです。
- 穴あけ
- 切り込みを入れたら箱の内側へ折り込み、筒を通す穴を開けます。反対側も同様の手順で穴を開けておきます。
- 筒の長さ調整
- 筒が長い時は切断します。写真のように箱の幅より少しだけ長くなるようにします。
- 筒に下書き
- 箱の幅に合わせて、筒にペンで印をつけます。
- 筒に切り込み
- 芯の両端にカッターで切り込みを入れ、先端を分けます。場合によってはハサミの方が良いかもしれません。
- 筒を穴に通す
- 写真のように筒を穴に通します。穴が狭くて通らない時は、切り込みを深くして調整します。
- 固定して完成
- 筒の接合部(箱の内側と外側)をガムテープで固定すれば完成です。
創意工夫
讃岐獅子頭は耳や口が動きます。猫獅子(毛獅子)の場合は目も動きます。目が動くようにするのは難しいかもしれませんが、耳や口を動かすしくみは箱に穴を開けて紐を通せば実装できると思います。
見た目を獅子頭っぽくするのであれば、獅子頭を各方向から撮影し、写真を貼り付ける方法も考えられます。本物の獅子頭には到底およびませんが、みんなでアイデアを出し合いながら稽古用の獅子頭を作ってみるのも良いのではないでしょうか。
古い獅子頭の活用
上小原獅子組では主に古い獅子頭を使いながら稽古をしています。破損している獅子頭もありますが、稽古用としては立派な道具です。
香川県の獅子舞には、獅子組同士が競い合いながら発展してきた歴史があります。稽古の方法も獅子組ごとに異なるのが、また面白いところです。