
香川県仲多度郡多度津町山階の最南部に上、小原、東上という3つの集落があり、それらをまとめて上小原と呼びます。そこには約70戸の世帯があり、上小原獅子組はそこに住む若者らで構成された上小原青年親睦会(青年会)が運営する獅子舞集団です。黒を基調とした獅子組で、平均年齢も低く活気のある獅子組です。
再結成された組織
上小原獅子組(上小原青年親睦会)は再結成された組織です。元々は「上組青年獅子団」という組織で「上組若連中」が運営していました。この組織は昭和30年代に解散し、その主活動であった秋季例大祭は一時廃止寸前まで追い込まれました。しかし、その状況を憂えた地元の若者数名が発起人となり、昭和40年代に今の組織を立ち上げました。失われつつあった獅子舞をかつての舞い手だった老齢者に教わることで再現し、今の組織として復活させたのです。
上小原青年親睦会とは?
いわゆる地区の青年会です。会の活動目的は「地域の人と仲良くしながら、伝統文化を継承していくこと」です。獅子舞を通して住みよく魅力のある郷土づくりを目指しています。
結成当初は獅子舞だけでなく盆踊りや子ども会を開催したり、地域の各行事に参加したりと活発に活動していましたが、今は過疎化や少子化の影響もあり、獅子組の運営が主な活動です。この土地で脈々と受け継がれてきた民俗芸能「獅子舞」を継承していることに誇りを持って活動しています。
獅子舞がつなぐ絆
獅子舞は「ヨナラシ」と呼ばれる稽古によって受け継がれています。同じ集落に住む者が年齢関係なく1箇所に集まって稽古をするのです。そこで受け継がれるのは舞や鳴り(お囃子)だけではありません。集落の伝統や風習、故郷を想う心も受け継がれます。獅子舞を通して世代を越えた繋がりが生まれ、それはやがて地域の団結力となり、その力が魅力のある郷土を作っていくのです。
獅子舞は決して獅子組だけのものではありません。獅子組を支えてくださっている地域の方々、獅子舞をご覧いただける皆様、みんなのものです。獅子舞は地域をつなぐ絆です。獅子舞がみんなに幸せをもたらすことを願っています。
氏神・春日神社

上小原獅子組の奉納神社は集落内にある山階の春日神社です。この神社は山階の氏神様で、秋季例大祭(大祭り)の時は山階にある他の集落からも獅子組が集まります。
上小原獅子組の紋

上小原は山階地区の最南部に位置することから水上と呼ばれ、農業、文化など様々な面でリーダーシップを求められてきた経緯があります。春日神社の社紋(神紋)は下がり藤ですが、上小原獅子組はこの下がり藤の中に上の字が入った独自の紋を持っています。