随神門の改修
先月、春日神社の随神門が改修されました。
改修前と改修後の写真を掲載しています。
改修前
改修後
随神門とは?
随神門は神域に邪悪なものが侵入するのを防ぐための門です。随神門の随神とは神様を警護する神様で、門守神と呼ばれたりもします。門の中に随神像を奉安し、門の神様として祀っています。
寺院に仁王門というのがありますが、随神門は仁王門の神社版。神道(神社)と仏教(寺院)を一体化させていた神仏習合時代に生まれたものです。
左大臣と右大臣
仁王門で守るのは金剛力士ですが、随神門の随神は武装した衛士(武官)の姿をしています。随神のモデルとなっているのは随身(平安時代に貴族を護衛していた官人)だそうです。本殿側から見て左側が左大臣で、右側が右大臣(矢大臣)です。
春日神社の随神門では内部の格子網が外され、外からでもはっきり拝めるようになりました。
左大臣は口を開き、右大臣は口を閉じています。これは阿吽の呼吸。金剛力士像と同じです。また、それぞれ番犬を連れています。左大臣の背には弓矢も見えますね。
250年の歴史
随神門の歴史は今から250年以上前まで遡ります。聞くところによると建てられたのは幣殿・拝殿が造営された明和3年(1766)頃ではないかとのこと。さらに天保年間(1830〜1844)に改修された記録も今回発見されたようです。
今回の改修では外壁の板の張替えや土台の一部交換などが行われましたが、建物を支える柱や梁はそのまま残されました。
懸魚(屋根の左右につける飾り板)や軒下の龍の彫刻は当時のものですが、とても巧妙で見応えがあります。鯱鉾の飾り瓦も含めて火除けの願いが込められています。
綺麗になった随神門をぜひ一度ご覧ください。