獅子舞道具の虫干し

爽やかな秋晴れのもと、獅子舞道具のメンテナンスを行いました。今年の獅子舞奉納は中止になりましたが、来るべき日に備えて道具のお手入れです。
上の写真は鳴り物(太鼓や鉦)と獅子頭を保管場所から表に出してきたところ。古いものも一緒に保管しているのでたくさんあります。
太鼓はどのように保管する?

太鼓は温度・湿度に急激な変化がないところで保管するのが良いそうです。
太鼓の胴は木なので、高温で乾燥しすぎると割れたり縮んだりします。逆に湿度が高すぎると歪みます。同様に太鼓の皮も温度・湿度の変化で伸縮を繰り返すことで劣化が早まります。
陽の当たらない屋内に保管すれば、急激な温度変化は避けられますが、雨天や夜間など湿度の変化には対処が必要です。
湿気はダメだけど、乾燥させすぎてもダメ。そんな環境を作るため、建物の床下に用いられる調湿シートを使うことにしました。湿度が高いときは湿気を吸収。湿度が低い時は吸収していた湿気を放出し乾燥を防いでくれます。
太鼓の箱の底に調湿シートを敷き、その上に座布団、その上に太鼓を置き、適度に乾燥した空気に触れている状態で保管しています。
半太鼓のバチの作成

太鼓を長持ちさせるにはバチも重要です。角が尖っていたり、ささくれたバチで太鼓を打つと皮にキズが付いて太鼓の寿命が縮まります。
上小原獅子組では半太鼓のバチ用に樫の角材を仕入れているのですが、角材のままで太鼓は打てません。
写真は角材の角を削って面取りしている様子。とても堅い木なので面取りするのも一苦労です。
本来は獅子舞の稽古と並行して行う作業ですが、今から準備を進めています。
古い奉献幟

獅子組の道具ではないのですが、神社近くの氏子の家の納屋から、古い奉献幟が出てきたとのことでお披露目しました。
明治39年(1906)、今から115年前の春日神社の祭りの際に、広前に立てられた幟と思われます。
神社の幟なのに卍紋が入っているのは祀られているのが春日大明神(神仏習合の神様)だからです。
今の祭りは10月ですが「九月吉日」と入っているのは旧暦で祀る風習がまだ残っていたからと考えられます。
願主に「戌之年男」とあるのは、戌の年に生まれた人が厄除け祈願で奉納したということでしょうか? これが神社ではなく氏子の家にあったことも含めて、当時は今とは違った風習があったのかもしれません。
春日神社に参拝
道具の虫干しが終わった後、春日神社に参拝しました。虫干しの翌日に神社を訪れると一部関係者のみによる神事の準備が進められていました。
「来年こそは獅子舞奉納ができますように」








