獅子舞道具 「法被」

法被 上小原獅子組

獅子舞道具のご紹介、第7回目は「法被」です。

法被ハッピ

法被は日本の伝統衣装。香川県内の祭りでもよく着られており、多くの獅子組が法被を正装としています。

獅子組の法被は油単と同じく多種多様で、独自の柄を入れている法被もあれば、一般的な祭柄の法被もあります。色も黒、紺、白、青、茶など多彩です。

主に「染め」によって作られ、中には香川県の伝統工芸品である讃岐のり染で染めた法被もあります。

上小原獅子組の法被

紺色の法被です。腰柄には飛沫を上げて舞う波が大胆に描かれています。波の薄い青と白のグラデーションが豪快かつ華やかな印象を与えます。

両衿には「上組若連中」とあり、大紋(法被の背に入れる紋)には春日神社の社紋「下がり藤」に由来する独自の紋を入れています。これは私たちの前身である「上組青年獅子団」から続く伝統です。

肩裏(肩の裏部分の綿生地)によって、耐久性や吸水性に優れた法被に仕立てられています。

古い法被

これは、ひと昔前に作られた古い法被です。今でも数枚残っており、こちらを好んで着る人もいます。

古い法被は今の法被とは少し違います。色は黒に近い紺。腰柄には縁起の良い波千鳥(波打ち際を優雅に飛ぶ複数の千鳥)が描かれています。両衿には「山階上組若連中」とあり、山の字には山形紋が使われています。大紋は今と同じ紋です。

肩裏はありませんが、昔ながらの背縫いの法被です。生地を縫い合わせる時の柄合わせには高度な技術を要します。背縫いには魔除けの効果があるとされ、伝統的な仕立てによる風格や「背に一本筋を通す」という意味合いから、現代では高級な法被によく見られます。

頭法被

頭法被は頭が羽織る特別な法被です。色はで、腰柄には牡丹。両衿には「頭 山階上組若連中」とあり、山の字には古い法被から受け継いだ山形紋が使われています。肩裏の仕立ても施され、袖裏は帯の色に合わせた淡い黄色で染められています。

背に大きく描かれているのは鮮やかな唐獅子牡丹。さらに、歴代の頭の名前を白糸で刺繍しています。これは初代から続く伝統です。

古い頭法被

古い頭法被 上小原獅子組

これは古い頭法被です。頭の名を入れる余白がなくなったため、法被を新調し、今の頭法被へと引継ぎました。

この頭法被にも唐獅子牡丹の絵が描かれています。現在は額装された状態で地元の公民館に飾られています。

法被に込められた意味

昔、祭りの途中で暑くなって法被を脱いでいると、年長者の方からきちんと着るように助言をされたのを今でも覚えています。法被は単なる衣装ではなく特別な意味があるのです。

身分の証明

法被はもともと武士の身分を証明するものだったとされています。その考え方は今も継承されており、獅子組における法被は、その人がその獅子組に所属していることを意味します。そしてそれは、獅子組の一員として認められた証であり、「仲間」であるしるしなのです。

信用と責任

獅子組の法被は長い歴史の中で築き上げられた「信用」でもあります。先人たちが、衿字を胸に刻み、大紋を背負い、作り上げてきた信用です。法被に袖を通すことは、その信用の力を借りるということであり、同時にその信用を守る責任が生まれます。だから獅子組の法被を着ると気持ちが引き締まるのです。

法被を長く使っていると、色褪せたり、ほつれたりもします。衣装としての見栄えは良くないかもしれません。しかし法被の価値はそこではありません。古い法被には伝統と誇りが詰まっています。

法被の位置づけは人によって違うかもしれませんが、法被も獅子舞道具のひとつだと考えています。

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