獅子舞道具 「ダカの衣装」

ダカ(天狗) 上小原獅子組

獅子舞道具のご紹介、第8回目は「ダカの衣装」です。

ダカとは?

いわゆる天狗テングのことです。鼻高ハナダカ天狗を略して「ダカ」と呼びます。
天狗は全国的に知られていますが、香川県内の祭りにおけるダカは山の精霊とのことです。

ダカの面

彩色前のダカ(烏天狗)の面

これはとある工房で撮影させていただいた彩色前のダカの面です。

ダカの面は獅子頭と同じく張子で作られています。粘土や木で作った型に和紙を張り重ね、乾燥後に型抜きして彩色します。髪の毛や髭には馬の毛を差します。

お面にも様々な形があり、それぞれ表情が違います。最近は写真のように渦の装飾が施された面もあるようです。

上小原獅子組のダカ

上小原獅子組では、大人2人がダカに扮します。1人は赤の天狗、もう1人は緑のカラス天狗です。ダカは獅子舞にはあまり関わりません。その代わりにおどろおどろしい動きで子どもを追い回します。そして、良い子には飴玉をあげています。

ダカ(天狗) 上小原獅子組

ダカの着物

天狗は山伏のような法衣を纏うことが多いですが、上小原獅子組では動きやすさを重視した薄地の着物を纏います。天狗は赤、烏天狗は緑で上下お揃いですが、襷のみ色を入れ替えています。

マサカリ

ダカは身の丈ほどの大きさの鉞を持ちます。柄だけでなく、刃も木で作られています。刃の部分は鉄のように黒く彩色しています。

お面

赤の天狗、緑の烏天狗のお面です。天狗の鼻は高く、烏天狗には尖ったクチバシがあります。

どちらも目、鼻、口の周りが金色に彩色されています。額も同じく金色ですが、これは頭襟トキン(山伏が被る帽子)を模したものと思われます。頭、眉、口からは長い毛を生やしています。

お面は昭和40年代に善通寺市の松下獅子店で作られたもので、当時はひとつ5000円だったそうです。今はその何十倍の値が付く貴重なものです。

ダカの文化

ダカは謎に包まれています。いつ何のために始まったのかも不明ですが、古来より習わしとして続けられているのです。役割という点から考えるとダカは複数の文化が融合した独自の存在のように思えます。

猿田彦サルタヒコ

猿田彦は祭りの御神輿の道案内をする役です。一般的に天狗の面を付けています。ダカは獅子と共にこの猿田彦の役をすることが多くみられます。

来訪神ライホウシン

来訪神は秋田のナマハゲや沖縄のパーントゥのように仮装して災厄を払う行事です。ダカが子どもを追い回す行動は来訪神そのもの。また、10月の秋祭りに仮装する風習はアメリカのハロウィンにも通じるものがあります。

いずれにしてもダカには何とも言えない不思議な面白さがあります。

ダカに会うには?

香川県におけるダカの文化は中讃地域によく見られます。私たちが活動している多度津町山階もダカが盛んな地区です。さらに、善通寺市内の獅子組が集まる空海まつりではたくさんの天狗や烏天狗と出会うことができます。空海まつりは毎年11月3日に総本山善通寺で行われています。興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

参考史料

  • 四箇村史
    昭和32年(1957) 
    明徳会図書館出版、四箇村史編纂委員会/編
    P807
  • 讃岐ものしり事典
    昭和57年(1982) 
    香川県図書館協会/編
    P148

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